「らしさ」ではなく、「ならでは」を見つける
よくある「らしさ探し」とbonの「ならでは」
多くの制作会社は「御社らしさを見つけます」「らしさを反映します」と言います。
それ自体は大切なことですが、「らしさ」だけでは表現が似通ってしまい、結果的に競合と差が出にくいこともあります。
例えば「アットホームな社風」「お客様第一」「挑戦する姿勢」──どれも魅力的な要素ですが、同じ業界の企業がそろって掲げているため、ユーザーから見ればどの会社も同じように見えてしまいます。
その結果、せっかくのマーケティング投資が「見た目や言葉は整っているけれど、中身は他社と変わらない」と受け止められ、選ばれる理由にならないサイトやブランドが出来上がってしまうのです。
そのため、bonはその会社の「らしさ」に加え、競合との明確な違いも盛り込み、『ならでは』にすることを大切にしています。
目次
そもそも「らしさ」や「ならでは」を見つける必要性
では、なぜ「らしさ」や「ならでは」を見つけることが大切なのでしょうか。
理由はシンプルで、これが無いと市場(ターゲット)から選ばれる理由が生まれないからです。
「らしさ」や「ならでは」が定義されていないと、次のような問題が起きます。
- 差別化ができず、広告や集客の物量勝負に巻き込まれる
- サイトの情報設計やデザインを工夫しても、見た目が整うだけで成果につながらない
- そもそも伝えるべきメッセージにターゲットに刺さる内容が無くなる
このような状態では、広告を打ってアクセス数が増えてもCVR(コンバージョン率)は上がらず、費用ばかりがかさむだけになってしまいます。
逆に「ならでは」を明確にできれば、競争優位性と認知を確立でき、物量勝負ではなく“選ばれる確率”を高められるのです。
よく考えていただきたいのですが、これまで購入したものの中で「サイトのデザインだけが決め手で購入した!」と言えるものはおそらく無いと思います。
もちろんサイトの素敵なデザイン、ブランドを体現するデザインが、購入のきっかけになることはあります。
でもそれ以上に、その商品やサービスが自分にもたらすメリットが決め手になっているはずです。
それがサイト上で分かりやすく、魅力的に語られ、デザインで世界観が演出できているだけです。
だからこそbonは、会社やサービス、商品そのものが持つ「ならでは」を掘り下げることを重視しています。
「ならでは」の実績
守秘義務の関係で全ての実績をお見せすることはできませんが、ブランド設計を行うことで数値が大きく変化した事例をいくつかご紹介します。
- BtoBの公式サイトリニューアル
ブランド設計を実施した結果、コンバージョン率が157%向上。 - 採用サイトのリニューアル
ブランド設計を導入したことで、エントリー数が大幅に増加。 - 競合との差別化を意識したブランド設計
独自性を打ち出すことで、コンバージョン率が3倍にアップ。 - 弊社bon自身の取り組み
後述しますが、自社のブランドを「おせっかいな制作会社」と再定義したことで、お問い合わせ率が6倍にアップしました。
このように、ブランド設計を通じて「ならでは」を明確にし、サイト全体に反映させることで、数字は確実に変わるのです。
市場から選ばれる決め手は「ベネフィット」と「独自性」
市場で選ばれるためには、ユーザーにとってのベネフィット(便益)と独自性を明確にすることが欠かせません。
- ベネフィット(便益) … ユーザーにとってのメリット。「このサービスを使うことで自分はどう得をするのか」「どんな良いことがあるのか」という価値。
- 独自性 … 競合と比べて、その会社にしかない強み。他社には真似できない差別化ポイント。
例)再エネサービス
例えば再生可能エネルギー(再エネ)のサービスサイトを見てみましょう。
「コストを削減できる」「売電ができる」「環境に優しい」──これらは確かにユーザーにとってのベネフィットです。
しかし、これは再エネ業界全体に共通する特徴であり、そのサービスならではの強みにはなっていません。
もしベネフィットだけで独自性が無ければ、ユーザーから見れば「どの会社も同じ」にしか映らず、選ばれる理由にはならないのです。
独自性があるとどう変わるか
一方で、例えば「メンテナンスコストを業界平均より50%削減できる仕組み」「自治体と連携した地域限定の優遇プラン」といった独自性を示せれば、比較検討の中で明確に差別化されます。
ユーザーは「この会社だから選ぶ理由」を理解でき、結果としてCVR(コンバージョン率)の向上や広告効果の改善につながるのです。
情報設計・デザインだけでは不十分

ここで強調したいのは、理念 → ブランド → マーケティング → クリエイティブという一貫した流れです。
理念や「ならでは」が定義されていない状態で、サイトの情報設計やデザインだけを工夫しても、見た目が整うだけで成果には直結しません。
そしてbonは、情報設計や編集、デザインには自信がありますが、この「ならでは」の強みを正しく引き出せなければ、情報設計を組み立てることすらできません。
そうなれば、再エネの例のように競合と同じことしか言えなくなり、広告を打っても他社との差が見えず、CVRは低いまま。結果として、ただ予算を消化するだけになってしまいます。
だからこそbonは、まず「ならでは」を見つけることからスタートするのです。
bonの考え方:「らしさ」ではなく「ならでは」
bonが大切にしているのは、「らしさ」を見つけることではありません。
私たちが真っ先に取り組むのは、その会社にしかない『ならでは』を見つけることです。
「らしさ」と「ならでは」の違い
「らしさ」とは、その会社の特徴を表すものです。雰囲気や文化、社風といった要素が含まれ、もちろん大切なポイントではあります。
しかし「ならでは」には、競合が持っていなくて、そのクライアントだけが持っている要素という条件が付きます。
だからこそbonは、「らしさ」にとどまらず「ならでは」まで掘り下げなければ、その企業の便益(ベネフィット)と独自性を見つけることはできないと考えています。
| 項目 | らしさ | ならでは |
| 定義 | その会社の特徴(雰囲気・文化・社風など) | 競合が持っていなくて、その会社だけが持っている独自の要素 |
| 例 | – コスト削減できる – 売電ができる – 環境に優しい | – メンテナンスコストを業界平均より50%削減できる独自システム – 自治体と連携した地域限定の優遇プラン – 独自のアフターサポートで再エネ利用率を高められる |
| 差別化力 | 表現が似通いやすく、競合と差別化が難しい | 便益(ベネフィット)と独自性を兼ね備え、「選ばれる理由」になる |
| bonのスタンス | 重要ではあるが、それだけでは成果につながらない | 「ならでは」まで掘り下げないと、真の便益と独自性は見つけられない |
bon自身の「ならでは」:おせっかいな制作会社
例えばbonの場合、自社のブランドの核は「おせっかいな制作会社」というスタンスです。
もし「らしさ」止まりであれば、「コンサルもできる制作会社」と表現できるかもしれません。
しかしそれでは、世の中に数多く存在する同業他社と大きな違いは生まれません。
bonが徹底しているのは、
- クライアントの事業理解を深め、成果につながらない施策は「ダメ」と伝える
- デジタル領域に限らず、事業成長に必要なことなら遠慮なく提案する
といったおせっかいなまでの関わり方です。
これこそがbonの「ならでは」であり、他社との差別化になっています。
ならではがあるから、パートナーとして選ばれる
この「ならでは」をブランドの核に据えることで、bonは「見た目を整える制作会社」ではなく、クライアントの事業成長に伴走するパートナーとして評価されています。
「らしさ」では競合と似てしまう。
「ならでは」こそが、選ばれる理由になる。
これがbonの考え方です。
bonのおせっかいなアプローチ
bonは「ならでは」を引き出すために、あえて“おせっかい”と言われるほどクライアントに踏み込みます。
私たちにとって制作は、単に見た目を整える作業ではなく、事業成長のためのプロセスを一緒に考えることだからです。
徹底したヒアリングとコミュニケーション
bonは制作の初期段階から、クライアントの事業内容や課題を徹底的にヒアリングします。
- 競合と比べた強みはどこにあるのか
- 顧客はなぜその会社を選んでいるのか
- 事業の理念や背景に込められた想いは何か
こうした深掘りを通じて、まだ言語化されていない「ならでは」を引き出していきます。
耳が痛いことも率直に伝える
ヒアリングの中で、たとえクライアントが希望する施策であっても、成果につながらないと判断すれば「それはやめましょう」とはっきり伝えます。
無駄な投資や遠回りを避け、本当に成果に直結する施策に集中することが、bonのおせっかいなこだわりです。
制作領域を超えた提案
さらにbonは、Webサイトやデザインに限らず、採用やPR、マーケティング全体の戦略にまで踏み込みます。
「ここまで制作会社が言うの?」と思われるくらい踏み込みますが、それはクライアントに寄り添うおせっかいなパートナーでありたいからです。
このようにbonのおせっかいなアプローチは、「制作をするためのヒアリング」ではなく、クライアントの“ならでは”を見つけ出し、それを事業成長に結びつけるためのプロセスです。
これこそが、他の制作会社と一線を画す理由だと考えています。
bonのブランド設計の方法
「ならでは」を見つけることはスタート地点にすぎません。
掘り下げた独自性をブランドとして設計し、情報設計・デザイン・コピー・マーケティング施策にまで一貫して反映することで、初めて成果につながります。
bonのブランド設計プロセス
- 調査
- 競合サービスに対してユーザーが抱いている不満を徹底的にヒアリング・引き上げます。
- 競合調査では、競合の強みはもちろん、特に弱みや手抜かりを重点的に分析。さらにプロモーション施策やブランドの方向性も確認します。
- 自社調査では、クライアントの強みや経営理念、こだわりを洗い出し、市場から得られたインサイトを解消できる手段があるかを探ります。
→ これらを通じて「他社にはない強み」を抽出します。
- 整理
抽出した強みを「ユーザーにとってのベネフィット(便益)」に翻訳し、ターゲット視点での価値に変換します。
また、この段階で本当に狙うべきターゲットの選定も行います。 - 定義
ベネフィットと独自性を掛け合わせ、「選ばれる理由=ブランドコンセプト」として言語化します。 - 反映
定義したブランドコンセプトを、サイトの情報設計、デザイン、コピー、さらには運用戦略にまで一貫して落とし込みます。
会社案内なども全て刷新するのはリスクが高い場合は、サイト上の一部のページを変更しパフォーマンスを測定してから、全施策に落とし込むこともあります。 - PDCA
ブランド設計は一度作って終わりではありません。
公開後のデータをもとに施策の効果を検証し、改善を繰り返すことで、ブランドコンセプトをより強固にし、事業成長につなげます。
中身から一貫したブランド体験へ
このプロセスを経て生まれるのは、見た目の差別化ではなく、中身から一貫したブランド体験です。
その結果、広告や集客施策に頼らなくても「この会社だから選ぶ理由」が明確になり、持続的な成果につながります。
「ならでは」が無いと広告費も無駄に
「ならでは」が定義されていないまま広告や集客施策を行っても、成果にはつながりません。
なぜなら、ユーザーにとって「他社との違い」が見えなければ、どれだけ広告を出しても比較検討の段階で選ばれる理由がなく、成果が出ないからです。
広告費が消えていくだけの状態
例えば再エネの事例でも、「コスト削減できる」「環境に優しい」といった訴求は業界全体で共通して使われています。
このような一般的なベネフィットだけでは競合と同じメッセージになり、広告を出してもCVR(コンバージョン率)は上がらず、広告費ばかりが消化される状態に陥ります。
「ならでは」があると広告効果が変わる
一方で、「業界平均より50%メンテナンスコストを削減できる仕組み」や「自治体と連携した地域限定プラン」といった独自性のある“ならでは”を打ち出せばどうでしょうか。
ユーザーは「他社ではなく、この会社を選ぶ理由」を理解でき、比較検討の場で優位に立てます。
結果として広告の投資効率は大幅に改善し、限られた予算でも大きな成果が得られるようになります。
bonのスタンス
だからこそbonは、クライアントの「ならでは」を掘り下げ、それをブランド設計し、広告や集客施策に反映します。
「ならでは」が無い広告は費用を浪費するだけ。だからまずは中身を作る──これがおせっかいな制作会社であるbonの基本姿勢です。
まとめ
「らしさ」を見つけること自体は決して間違いではありません。
しかし、それだけでは表現が似通い、競合と差別化するのが難しくなります。
市場で選ばれるために本当に必要なのは、ユーザーにとってのベネフィット(便益)と独自性を兼ね備えた“ならでは”です。
これが無ければ、サイトの情報設計やデザインをどれだけ工夫しても成果には直結せず、広告を出しても費用を消化するだけになってしまいます。
だからこそbonは、おせっかいと言われるほどクライアントに踏み込み、強みを掘り下げて「ならでは」を引き出します。
そして、それをブランドとして設計し、情報設計・デザイン・コピー・マーケティング施策にまで一貫して反映します。
「らしさ」ではなく「ならでは」──それこそが、選ばれる理由を生み出し、事業成長を後押しする力になる。
bonはこれからも、おせっかいにクライアントの「ならでは」を見つけ出し、成果につなげる制作会社であり続けます。
サイトをリニューアルしたり、デジタル施策をいろいろチャレンジしても成果が上がらない場合、ひょっとしたら貴社の「ならでは」が無い可能性があります。
「このブランド設計で良いの?」「これで自社を体現できているの?」と不安がある方は、いつでもご相談ください。









